へびのはなしのつづき。

先日の「へびのはなし。」から楊月様と竜のお話をさせて頂きまして、ちょいと本棚をひっくり返して参りました。
で、見つけたのが怪物の友 モンスター博物館 (荒俣宏コレクション) (集英社文庫―荒俣宏コレクション)でございます。
著者の荒俣センセは私が密かに「現代のヘロドトス」(良きにつけ悪しきにつけ)だと思ってお慕いしている方なのです。この本の「ドラゴン」項目にありました。

ところで、エジプトにはもうひとつ別のドラゴンがいた。ヘロドトス『歴史』巻二-七十五〜七十六によると、エジプトでは毎年春になるとアラビアから翼のあるヘビ(ドラゴン)が飛んでくるというのだ。ヘビそっくりの形をして、翼はコウモリのものによく似ているが、無足であったという。これを聖鳥イビスが迎え撃ち、ことごとく落としてしまうので、国に進入することはなかった。なおアリストテレスはこの記事があったために<翼あるものは二本足>つまり鳥のみである、といいきることができなかった。
 しかし、ここに述べられた飛龍は、<エジプトの災い>とよばれたバッタの大群を指すらしい。そのため、アリストテレスの躊躇にもかかわらず、後世ではこのタイプの飛びドラゴンに四本のあしが描かれている。

怪物百科p.139~140より

そしてコメント欄で「エジプトには竜がいない」と発言しましたが、いました竜。

ワニは有足ドラゴンの原イメージであり、おそらくはレヴィアタンとよばれる怪物もこの一種だったと思われる。エジプトにおいては神として崇拝されていたが、やがて人間を襲うようになり、ドラゴンと化した。

怪物百科p.138より

またエジプトの神セラピスは、からだがドラゴンの姿をしており、頭を三つもち、左からオオカミ、ライオン、イヌの順になっていたといわれる。三つの頭は、過去(オオカミ)現在(ライオン)、未来(イヌ)の象徴であり、すべての時間がドラゴンによって統合され保護されている事を意味する。このドラゴンもワニの姿をしていたと考えられる。

怪物百科p.138~139より

「翼ある足のない蛇」のイメージが強かったので、東洋の蛇型竜ばかりを考えていました。ワニ型竜の存在を失念してしまったのです。この足のある竜が西洋のドラゴンになったらしい。
楊月さま、ホラ吹いちゃってゴメンナサイ 人( ̄ω ̄;)

今日の教訓「十年経つと読んだ本の内容も忘れる」

でも…この『セラピス』って一体どんな竜なんだろう?ドラゴン+ケルベロス?と思って探していたところ、行き当たったのがアレキサンドリア図書館でございました。
件の神様、セラピスさま


……なんかちがう。

荒俣センセ、やっぱり貴方も……?