psdtについて。

psdt−ペセジェトorペスジェトと読みます。

九弓の民、と言う意味です。つまりエジプトにとって弓をひき仇を為す九つの国の民、と言う意味で異民族の総称でもありました。
なので、私の中では、ずっと敵=ペセジェトとインプットされておりました。

したら、彼の有名な九柱群(エンネアド)の古名まで「psdt」じゃーあーりませんか。
つまり「この敵め!」と読んでいたモノが「この九柱群め!」になってしまいますがな。――罰当たりだわぁ。

ヒエログリフには単語の最後に決定詞なるものが付き物です。
つまり同音異義語を区別するのに、発音しないもう一文字を加えて判別の方法としています。
日本語だと「はし」という発音の単語を「橋」「箸」「端」と漢字でその意味を汲み取るのですが、ヒエログリフ同音異義語は発音を表す文字の後ろに、意味を表すもう一つの表意文字決定詞」がくっついているのを見て意味を判別するのです。
つまり九柱群の場合は「psdt神様印」といった具合です。

ので、九弓の民の場合は「psdt敵印」だと思っていたら……違うんですね。「古代エジプト語基本単語帳」によると「九つの弓の民」=九つ弓を書いて終わり。
ヒエログリフって本当に象形文字だわ、と妙に納得してしまいました。そういえばツタンカーメン王の墓の封印もアヌビス神と九人の捕虜が書かれていましたもんね。あれもきっと「psdtペセジェト」と読むんじゃないかな。

だから「この敵め!」といった場合には「このペセジェトめ(九本の弓のイメージを脳裏に描いて)!」じゃないと不味いです。神罰が当たります。

ちなみに「psdt」は数字の九を表す「psd(ペセジェ)」から派生した言葉だと思われます。

参考までに。「ennead(エンネアド)」は英語で九人組の事でございます。(恥ずかしながら知らなかった…(汗)最初のeを大文字Eにするとエジプト宗教のヘリオポリス九柱の神々の意味になるらしいですが。)

これを読んでくれた貴方様にもPsdtのご加護がありますように。