名前のひみつ。

ここの管理人、『王家の紋章』と言う漫画から古代エジプト好きになってしまった変な奴です。
そんな訳でとりあえず、三等書記官志望の身としては『王家』登場人物の皆様のお名前の考察なんぞをしてみたいと思います。

まず王様。
『メンフィス』――困るデス。いきなりギリシア読みです。
古代エジプトでは中心に程近いサッカラの近く、現在のミト=ラヒーナ村にあった「イネブ・ヘジュ」又は「メンネフェル」と言う王国時代に何度も王都となった都市の名前です。メンネフェル=メンフィスとギリシア人が呼んだのを語源となさっていると思われます。
ヒエログリフではmn=永続する・堅固な nfr=美しい・良い と言う意味。白い城壁(イネブ=壁・ヘジュ=白)が美しい都市だったそうな。

女王様
『アイシス』――また困るデス。ギリシア読みをすっ飛ばして英語読みです。
ギリシア語でホルス神の母神「イシス」神が語源ですね。古代エジプトでは「アセト」と呼ばれていました。「イシス―isis」の最初のiを「アイ」と英語風に読むと「アイシス」になります。

父王様
『ネフェルマアト』
nfr-maat 
とっても分かりやすいお名前です。
nfr=美しい・良い maat=正義・秩序
で「美しい秩序」となります。

宰相どの
『イムホテップ』
ii-m-htp
古王国時代第三王朝に階段ピラミッドを設計なさった偉い宰相殿のお名前から拝借したものと思われます。医療の心得も持っていらっしゃったらしく後の世に知恵の神様となられたお方です。
名前の後半「ホテップ」は「ヘテプ」とも読まれる文字で「平安」や「平和」を表します。昔の王様「アメンヘテプ」陛下や「メンチュヘテプ」陛下にも使われるお名前です。「イム」は良く分かりません。ヒエログリフを見た限りではii=来る・将来起こる・戻ってくる m=〜の時or〜として の意味だと思うのだけれど……?

苦労性の武官どの
『ウナス』
wnis
古王国時代第五王朝にいらっしゃった王様のお名前です。サッカラの真正ピラミッドで初めてのピラミッドテキストを残された王様だそうな。王名には兎が入ってらっしゃいますが、意味は不明だそうです。
でも、どうしても私の目には「ウニス」に読めるんだな〜これが。

侍女どの
『テティ』
tti
実は男名です。古王朝時代第六王朝にいらっしゃった王様の名前です。カルトゥーシュの中にパンが二つと菅の穂の入ったとってもシンプルなお名前の王様で、実は暗殺されてしまった悲劇の王様だとか。
お名前の意味は不明だそうです。

王弟どの
『ネバメン』
nb-imnかな?と想像。でもそうするととっても不敬罪なお名前です。
nb(ネブ)は主人・支配者と言う意味でimn(イメンorアメン)は言わずと知れたエジプトの国家神です。繋げて読むと「アメン神の主人」となります。とっても罰当たりな偽名ですが、王位の簒奪を狙う男としては神をも畏れぬ名前で相応しいかも?

で、その従者の名前『ペルト』prtはエジプトの季節の一つ「播種期」の事。でも女性名詞です。日本風に言えば「春子(男)」さんですな。

大神官どの
『カプター』
恐らくka-pthではないかと。
ka(魂or生命力)pth(プタハ神)で「プタハ神の魂」?
ちなみにプタハ神はメンフィス(都)の主神様でございます。


分からないのはナフテラ・ミヌーエ親子の語源です。
目下調査中。マテ次回。