はげのはなし。

ペルシア人の頭蓋骨は非常に脆く、小石を一個投げつけても穴をあけられるほどであるのに、エジプト人の頭蓋骨は、石で叩いても壊れぬほど硬いのである。土地の者はその理由を話してくれ、私もすぐに納得したことであったが、つまりエジプト人はすでに幼少の頃から頭髪を剃る習慣があり、頭骨が陽に曝されて厚くなるからだという。エジプト人の頭が禿げぬのも同じ理由からきている。実際世界中でエジプトほど禿頭の人を見かけぬ国はないのである。

―「歴史」巻三(タレイアの巻)十二

これは末期王国時代の第26王朝のプサンメニトス(プサムテク3世)の治世の時にペルシア王カンビュセス2世に侵攻されてエジプトが敗れた後にヘロさんが目にした光景だそうです。

ペルシア人の頭蓋骨に比べて、エジプト人の頭蓋骨は妙に硬いらしい。

その理由は、エジプト人が子供の頃から髪の毛を剃って陽に当たるからだと言うのですが、そんな事って有るの?
確かに陽に当たると、食物から摂取したカルシウムとビタミンDとが結びついて骨が丈夫になるというのは周知の事実ではございます。
が、頭を剃っただけでは頭の皮膚は強くなっても、骨まで強くなるとは考えられんとです。
それにエジプトでは、かつらや頭巾を被る習慣がありました。
あの国の夏の暑さで禿頭を晒していたら日射病になっちゃうし。ずっと日に曝していた訳じゃないでしょ?

おまけにエジプトに禿が居ないのも、頭を剃るからだそうです。

でもさ、ヘロさん。
頭を剃った人と禿の人の区別がつくの?
つるつる頭が並んでも、どれが禿だか剃った頭だか分かんないんじゃない?
私事で恐縮ですが、私、お坊さんと禿さんの区別はつきません。
「世界中でエジプトほど禿頭の人を見かけぬ国はないのである。」
なんて言いきっちゃっていいのかなー。だって、皆つるつるなんだよ?

でもエジプトの皆さん、一国揃ってつるつるしていたら壮観だろうなー。あの人もこの人も、みんなつるつる。

ってか、頭剃る習慣の国で、禿か禿でないかって意味あるんだろうか…?
古代エジプトの処方箋を記したパピルスには、養毛剤の処方もあったそうです。)