「世界遺産への招待状」ピラミッド探検 奇跡の聖地へ

ギザ3大ピラミッド

エジプト中のピラミッドの中からは王と確定されるミイラは発見されておらず、未だ墓だとは確定されていない。

では、ピラミッドとは何なのか。世界で最も有力とされる学説をザヒ・ハワス博士が解説する。

ピラミッドの周りにある様々な建造物に目を向ける。
河岸神殿・葬祭殿等の周囲の施設から、ピラミッドは宗教複合施設の一部として建造されたと推理されている。

ザヒ教授は「ピラミッドは王の墓で、王のミイラは盗掘されて失われた」と結論している。
そしてミイラを作った古代エジプト人の思想を知るのが重要であると言う。
古代エジプト人はなぜ死体の保存にこだわったのだろうか?

ザヒ教授はギザのピラミッド近くにある、クフ王に仕えた神官カルの墓にヒントを求める。

古代エジプト人にとって、死後の魂は復活した後、永遠に墓の中で暮らすとされていた。
その時に魂が戻る身体として、生前のまま保存されたミイラが必要だった。
墓には戻ってきた魂に分かるように、名前が刻まれた。

古代エジプト人にとって「墓」とは墓であって墓でない、魂が永遠に暮らす家であった。
そしてピラミッドも王の魂が暮らす家だった。


何故ピラミッドが造られたのか?
「千の神々の国」と呼ばれる古代エジプトで、神々の王とされたのは太陽神・ラーである。
王は死後、天に昇って太陽神ラーになると信じられていた。
王はピラミッドをラーの許へ昇る階段として使った。
ラーになった王はその後、ピラミッドの中で永遠に生き続ける。


神として永遠に生き続ける存在。ピラミッドはそんな王の為の特別な居場所だった。